三十郎 一刀両断
2006

拙者が2006年に観た映画の五段階評価でござる。
けっこうたくさん観れたし良質なものが多かったでござる。

三十郎ベスト 3 2006
ベスト3の下に2006年に観た映画の評価を載せています。
タ イ ト ル 星 数 コ メ ン ト
花よりもなほ ☆☆☆☆☆ これは文句なく今年の1位!僕にとっては非の打ち所がほとんどない仕上がりに感じました。
今でも思い出すだけで胸いっぱいになります。皆さんも是非ごらんになってください。
是枝監督はこれから日本映画を背負って立ちますよ。きっと。
ANGEL-A
(アンジェラ)
☆☆☆☆☆ 何かに傷ついた人が作った作品は傑作が多い。
そしてそういう作品は何かの折に触れて観たくなるのだと思う。
カーズ ☆☆☆☆ これは思いのほかいい作品でした。ドラマがしっかりしている物はどんな風に作っても大体よくなるのかな?
2006年は映画をたくさん観れてラッキーな年だった。これからはなかなかこうは行かないだろうなぁ。

 2006年に観た作品 

タ イ ト ル 星 数 コ メ ン ト
武士の一分 ☆☆☆☆ 「キムタクよく頑張った!あなたは本当は出来る人なのですね」と思った。出演者は全てすばらしい演技をしているのだけど、その中でも特筆すべきはやはり彼の演技。盲目になって光がある時以上に語るようになった「目」の演技。これ凄いですよ。目の演技で凄いと思ったのはジョニー・デップ以来かなぁ。そして剣術!この3部作の中では一番切れのある殺気立った剣!これまた凄かった。この映画のために凄く努力しましたよ。間違いなく。素敵だ!キムタク!!
ストーリーはとんでもなく重い。でもそれだけで終らず暖かくしてくれる山田洋次監督の手腕!珠玉の映画だと思いました。
笠野高史さん!この脇役さんどの映画を観ても上手い!この作品で100パーセントファンになってしまった。
そして・・・檀れいさん!凄く綺麗。さすが宝塚!メロメロですがな。。。。
硫黄島からの手紙 ☆☆、5 日本人の精神社会をとても上手く描いてある。さすがクリントイーストウッドだと思った。「父親たちの星条旗」と比べると出演者の主体の国「日本」を美しく描いてあり日本人としては嬉しい。
ただし・・・やはり異国の作品。大和魂はもっと深いのだけど・・・と思った。
あと同時多発テロがあった年の夏に「パールハーバー」の公開があったように映画は時に政治的扇動に使われることがあることはうすうす感じている。この映画が今公開される意味については「なぜ?」と考えさせられる。
しかし久しぶりに見た裕木奈江さん。凄く綺麗だった。
手紙 ☆☆、5 原作がすぐれているんだなと思った。映画は泣かしにかかりすぎなところがあって演出的にどうか?と思うところと、映画全般的に女性のファッションが男性に比べてアンバランスすぎてその点が目に付いてしょうがなかった。まぁ僕は沢尻エリカに関しては見ているだけで大満足なのですが・・・(むちゃむちゃ好みでがんす)。でも、「パッチギ」の時はもっと演技上手かったけどなぁ。。。しかし!!!山田孝之っていう俳優さんは上手かった。最近若手男優の実力派って増えたなと実感した。
寝ずの番 ☆☆☆ 結構期待せずに観て序盤はなんて下品な話なんだと思ったのですが・・・話が進むにつれ芸人のプロフェッショナルの話だということに気付きました。
巧みな映画ですよ。
日本映画は質が高い。
虹の女神
RAINBOW SONG
☆☆☆☆ 素敵な映画に出会いました。
あまりコメントしたくないほど良い。正確には良いというより心に来ます。
若干間延びしているけど久しぶりに劇場に2回行きました。
素直になったり、思いを打ち明けたりした方が良いよねって気持ちになります。
是非みてください!!!
父親たちの星条旗 ☆☆☆、5 さすがクリント・イーストウッド監督作品。すばらしい!でも一番びっくりしたのはドリーム・ワークスの作品だったこと。スピルバーグと組んでるってことだよね。そのせいか「シンドラー・・」や「プライベート・ライアン」風の映像とハンディカメラ撮影はそこまでしなくていいんじゃない?って思ったけど、そんなことは本編とはあまり関係なく、戦争の捉え方がとてもいい。戦争とはそもそも何か?戦争の英雄とは?
あまり考えることのない事柄を感慨深く丁寧に描いてありました。
次作への含みも残してあるし「硫黄島からの手紙」は大期待ですね。なによりイーストウッドが日本人俳優陣をどう扱っているかというのに興味がある。
まぁ間違いはないんだろうけどね。
この映画もお勧めです!!
地下鉄(メトロ)に乗って ☆☆ 感動的な映画なのかもね。演出がいまいちで演技が浅い気がして感情移入できなかった。
話題になっているほどの映画ではないな。
フラガール ☆☆☆ 実話とは思わなかった。炭鉱の盛衰を題材にした映画は何でこんなに良い映画が多いんだろう。「ぽっぽや」もそうだったし洋画だと「ブラス!」「リトル・ダンサー」もとても残る映画ですよね。
これはとても笑わせてくれる映画だけど、根底に流れているのは人のどうにも変えられない運命について。深い。。。
しかし豊悦・冨司純子は上手い!いろいろなバリエーションの人が出ている中で絞めてくれるかんじ。
お勧めですねぇ。
出口のない海 ☆☆☆ 思いのほか中立に描けていた作品だと思いました。台詞回しが文学作品的で、白黒の時代の日本映画みたいな雰囲気がとてもみみざわりのよい作品でした。
なんて書いていいかわからない作品ですね。。。
とりあえず良作ですとのみ書いておきます。
スーパーマン・リターンズ ☆☆☆ 最近映像の質の低いアメリカンヒーロー映画がやたらある中、このスーパーマンとスパイダーマンはなんだか上品でいいですよ。
内容もドラマに重きがおかれていて見せます。かといってアクションシーンもなかなかの物!マトリックスのあの弾丸をよけるシーンをパロディった全く弾丸をよけないシーンとか、ケビン・スペーシーのわらわかす演技とか「笑」も随所にあって絶妙なブレンド具合です。これはお勧め!
ちなみに僕が小2の時初めて友達と2人で親抜きで見に行った外国映画がクリストファー・リーブ演じるスーパーマンでした。その関係でやや贔屓気味。
ユナイテッド93 いったいなにを描きたかったのやら…。何の為に撮ったのやら…。。。期待して観たのに…
この映画が観れたことより、久しぶりにサロンシネマに行けた事と、別の映画の予告編に大好きなダニエル・オートィユとジュリエット・ビノシュが出てきたことの方が嬉しかった。
花田少年史
幽霊と秘密のトンネル
☆☆ 僕にゆかりの深い広島の忠海のロケと言うことでとても親しみが分ける映画でした。須賀健太という主演の子役の子がとんでもなく演技が上手くてたまげました。
それ以上にたまげたのが、序盤物凄く面白く、終盤への仕掛けもたくさんするし、どんな風に展開するんだろうとわくわくしたのに終盤がまとまりが悪いのと、無理矢理「パイレーツ…」のパロディーを入れたために全くしまらなくなってしまった…残念すぎる…。シリーズ物になりそうなネーミングなので次作に期待!
でもたくさん大笑いしたよ。
日本沈没 ☆☆☆ 今なぜこの映画をリメイクしたかったのかが観ればわかります。今の日本のおかれている状況などとても上手く織り込んであります。なかなかの秀作です。ただ…ミスキャストです。韓国上映を見越しての草g君の抜擢なんだろうけど下手すぎる。
ただし大地さんと豊悦の演技は凄い!
ゲド戦記 この映画は宮崎駿監督の息子吾朗さんの第1回監督作品ということで、見所は冒頭の「父親殺し」のシーンだけです。
見る価値なし。これを観てからあまり好感を持っていなかった「ハウルの動く城」を観たらとてもいい映画だと思った。それくらい親子で差がある…
M・i・V ☆☆☆ スパイ映画らしい映画になっていた。なんだか「ナバロンの嵐」とかを思い出しながら観た。
ある意味「カンフーハッスル」に通じる物があって『ありえねー!』って感じだったけど許そう。楽しかったから。
パイレーツ・オブ・カリビアン
デッドマンズ・チェスト
☆☆☆☆ 面白かった!今年の映画界はあたりが多い!海賊映画だからだれが敵なんだか味方なんだか…。。。いろいろな要素が交錯してとっても面白い。また笑わせてもくれるし…とてつもなくエンターテイメントです。
ただ3部作構成になることを予備知識として知らなかった僕は「つづく」みたいになった時に「えっ!!」って叫びそうになった。次作が楽しみだけど…来年5月末かよ!待たせすぎじゃ〜!待ちきれない〜。。。。
…ちなみに前作を観ていない人にはこの映画は全く理解できません。
ご注意ください。
カーズ ☆☆☆☆ 息子と映画を観たのは2本目。生き物何もかもが車でユーモアがきいていてよかった。単純な娯楽作というより、3DGの映画でありながらドラマに結構重きをおいていて泣けるし感動する。トイストーリーの1作目を観た時のような感激があった…と思ったら監督が一緒なんだねぇ。
キャラクターのかわいらしさも最近のピクサー映画から考えて突出しているように思えた。
おすすめ!
海猿
LIMIT OF LOVE
☆☆☆ 1作目は何の為に作ったのかわからないようなどうでもいい映画だったけど、今回のは映画的に言うと致命的なミスが1つあるにもかかわらず、それを補って余りある娯楽作に仕上がっている。閉じられた空間の緊迫感をとても上手く使っているし、観客が期待している映像をとことん引っ張って爽快感に結び付けている手法はなかなか。これはいいよ。
でも致命的なミスが1つある。
佐賀の
がばいばあちゃん
☆☆ 佐賀はゆかりのある土地なのでなんだか観たくなって観た。まあこんなもんかな。宣伝以上のものはない感じ。でも楽しめるし泣ける。
花よりもなほ ☆☆☆☆☆ 「誰も知らない」でいきなり有名になった是枝裕和監督の作品です。正直有名になった後の映画なので、やりすぎな映画になっているのではないかと思ったのですが…なんともすばらしいクオリティーでした。前回は母親が消えてしまう映画。今回は父親が居なくなってしまう映画です。その上で父親から自分に残されたものとは…自分の生きるべき道とは…自分の身の丈とは…しかし、人には立場というものがあって…
考えさせてくれる映画でした。
普通120分を超える映画にはだれがある物だけれども、無駄がなく、長さも感じないし、泣いて笑って…
とても素敵な映画でした。
今旬のキャストを使っていてもそれが鼻につかないし、1人1人が適材適所でキャラクターも練られている。
こんな若手監督が日本にいるんだと思うと本当に嬉しく思ったし、幕末ということで、舞台は最近の山田洋次監督と一緒であるにもかかわらず、雰囲気は共通なようにしながら主人公はへっぽこ侍というのはなんとも粋だ!
多分是枝監督が山田監督には足元にもおよばないという事を主人公に投影してオマージュとしているのでしょう。
今年はすばらしい映画にめぐり合う。
しかしこの監督はたくさんの登場人物を上手く描く人だ。また、前回もそうだったけど、布が擦れ合うような生活音をあえて使っていてそれも僕の性になぜかとてもピッと来るんです。
GOAL! ☆☆☆☆ やっぱりコテコテのストーリーならこれくらいコテコテにやってくれないとね。絵に描いたようなサクセスストーリーで安心感抜群!でもお涙頂戴とかの王道にもしっかり答えてえらい泣かせてもらいました。楽しかった〜!!やっぱり娯楽映画はこうでなきゃ!
お勧めです!是非観てください!!
ANGEL-A
(アンジェラ)
☆☆☆☆☆ どうしても「アンジェラ」でなく「ANGEL-A」で紹介したくて()をつけてタイトルと書いてしまいました。
白黒映画です。
リュック・ベッソン氏はすべてを捨てて出直しているという感じの作品です。ハリウッドでの仕事は彼にとって辛かったのでしょうね。多分この映画は自分のために、自分に語りかける為に作ったのでしょう。主人公もベッソンにどことなく似ています。
でもこの映画はこれを観たすべての人に語りかけてくると思います。僕は多分この映画を何かあるごとに繰り返し観ることでしょう。「ギルバート・グレイプ」や「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」、「サイダーハウス・ルール」、「オネアミスの翼」、「グラン・ブルー」のように。
すばらしい作品です。悩んだ時に観ると答えを持っている作品だと思います。
またベッソンのヴィム・ヴェンダース氏へのオマージュも大いに感じる作品でした。完全に「ベルリン天使の詩」がベースに成り立っています。観ていていつからカラーになるのかなと思っていたのですが、カラーになるタイミングは多分エンドロールの後くらいですね。
「ベルリン…」も是非ごらんあれ。これを観てからの方がこの映画は観やすいと思います。
ダヴィンチ・コード ☆☆ 大作で、プロモーションも凄い上に、レオナルド・ダ・ビンチの神秘性が絡んで妙に人を惹きつけているけど…観てみたらなんともミラクルな出来事が重なり合うばかりの超主人公に好都合&観客の期待を裏切らない仕掛けばかり…。。うーん。…そしてわしが一番気になったのはトム・ハンクスの髪型!あの人もうはげてるはずなのに…あの不自然な髪型はラズベリー賞ものだと思ってずっと観た。
ただ監督はさすが「アポロ13」「ビューティフル・マインド」のロン・ハワード氏!!作りは前振りなどさりげなくたくさん入っていて映画の流を損なっていなくて長い映画も短い感覚で観れ楽しめました。
多分脚本が悪いんだろうねぇ。
ザ・プロディーサーズ ☆☆ 劇場でミュージカル映画を観たのは初めてなのかな?多分始めてだと思う。笑った笑った…でも長い長い…。。。。もっと短く出来るのにだらだら長くてその面白さに水をさしていた。
その中でも目を引いたのが久しぶりに見たマシュー・ブロデリック!昔半アイドル扱いで映画に出ていた頃と比べるととんでもなく演技がうまくなっていてビックリしました。そしてユマ・サーマンがあの歳なのに娘のように描かれていてそれがあまり違和感がなかったこと!演出がとても良かったのでしょうね。それだけに…このしまりのなさは…残念。。
ナルニア国物語
第1章:ライオンと魔女
☆☆ 最近の長編連続物っていう流をどうにかしてほしい。どれも長いし、3部作とか言って3編観たからってなんてことのない映画が多すぎない?まぁ娯楽と考えればそれなりには楽しめるか…でもわしは納得させてほしいんよねぇ。そういう脚本で作られた映画であってほしい。その点で言うとこの映画も「必然性」に欠けていてなんか納得できない。「何で戦わなければならないの?」とか疑問だらけでハッピーエンドってどうなんだろう??
Disney映画だからつくりは飽きさせないから時間の長さは感じなかったけど、いつぞや宮崎監督が言っていた「Disney映画は入り口も出口も低い」という言葉を思い出しながら観た(宮崎氏は「自分は入り口は低いが出口は高い映画を目指している」と言っていました)。
とにかくハリウッドはいい脚本の映画をもっと多く排出せぇっちゅーの!その点でイースドウッド氏はえらい!!
でも楽しめることは楽しめるんだけどねぇ。多くを考えなかったら。
THE 有頂天ホテル 楽しめたかと言われたら…。『苦笑い』って感じ。いい役者が出すぎていて、その中にどうにもならないような演技力の人もいて…。。。。コントラストとしてアンバランスこの上ないし、ホテルという閉じられた空間であるにもかかわらず緊迫感がないし。狙って笑いを誘いすぎだし…。喜劇映画としてどうかと思う。わしは「12人の優しい日本人」や「ラヂオの時間」、「笑いの大学」のような三谷幸喜監督映画が観たい!!
でも、役所広司、松たか子はたいした役者さんだとあらためて思った。
ピーナッツ ☆☆☆ うっちゃんの初監督作品ということだったのですが、ユン・ピョウの「チャンピオン鷹」を思い出しながら観ました。何でだろう??前半のドラマの部分はやはり芸人さんが演技をしているということでちょっと付いて行けない部分があったし、うっちゃんのサービス精神旺盛なところが気にはなったけど、鼻に付いたのはそれだけで何箇所も泣けたし、よく笑った。洒落た隠し味も添えてあって秀作と言えるでしょうし、誰が観ても楽しめて感動できるしっかりとした映画です。結構お勧めです。特にスポーツ物で泣ける映画が好きな方は是非観られてください。このタイプの映画は近年なかったような気もします。掘り出しもんです。
しかし、さま〜ずの大竹さんが思いのほか演技がいいのに驚いた。この人俳優でもいけるかも。
チキン・リトル ☆☆、5 Disneyの吹き替え版を見に行ったのは広島に来てから初めてですね。その前の記憶といったら幼稚園の時に親と姉と島根県民会館で観た「ダンボ」なんだから相当前の話ですね。しかも、今回は自分が息子を連れて初めて観に行った映画がこの作品です。…なんだか感慨深いです。
映画自体はスーパーハッピーなコテコテな話なので安心感抜群でした。楽しかったです。何でこんなに愛らしいキャラクターを想像できるんだろうと感心しながら観ました。子どもは純粋に楽しめますね。大人はいたるところにちりばめられている過去の映画のパロディーを楽しめます。Disneyはこういう粋なところが好きですね。僕は「ブラック・ホール」というやはりDisneyが作った映画が大好きで、その中にマキシミリオンという悪役のロボットが出てくるんだけど、そのロボットが「トイ・ストーリー2」の頭に登場した時には叫びかけました。そして…「こんなん誰が気付くんだ!」と思ったけど、僕はそれだけで満足でしたね。


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